暇充 diary

趣味はお散歩です。

西成備忘録

天王寺駅から西成区は徒歩15分くらいの場所にある。天王寺駅周辺は明るくてスタイリッシュな場所である。街を歩くのはオシャレな若者が多い。

大通りを新今宮駅に向かって歩いて行く。
当初たった15分歩いただけで街の雰囲気が変わるなどとは到底思えなかった。

しかし、歩くに連れて街の雰囲気が少しづつ変わり始める。最初に気づいたのは質屋が多いこと。この街の人は自分の資産を切り売りしながら生きているのだろうか。そして自動販売機のプライスが西成価格に変ってゆく。今まで¥100だった自動販売機プライスが¥50になった。

突然大雨が降り出す。突然だったからかもしれないけど、この街の人は傘をささない。雨宿り先はパチンコ店。店の中も外も人でいっぱい。雨宿りしている面々もなんか個性的である。パチンコ店の扉が開くと、強烈な煙草臭が漂ってくる。

新今宮駅でも多くの人が雨宿りしていた。労働者の人達の服装の色のせいか街の色が灰色に見える。しかし、新今宮駅そばのホテルは割と綺麗な雰囲気。比較的新しい建物なのだろう。ホテルの前に"1600円から"と書いた看板がある。プライスがこの区域らしい。

外は大雨。お腹が空いたけど、外に出られない。ホテルには何も販売していない。次第に雨がおさまってきた頃には外も真っ暗で、外に出るのが怖い。

空腹のまま早目に眠ることにした。pm10:00頃、外からパトカーのサイレンが聞こえる。何台ものパトカーが行き交っているようだ。隣のホテルの前にパトカーが止まったようで、壁にパトライトの赤い光が反射している。罵声や怒鳴り声のようなものも聞こえる。客室の窓から様子を伺うが何もわからない。ただただ恐ろしい物音がする。だが、このような出来事はこの街の日常なのだろう。

深夜3時に目を覚ます。昨晩に比べてとても静かだ。眠れずにぼーっとしていたら今度は救急車のサイレンが聞こえる。

am6:00この街は既に活気づいていた。ひとがたくさん行き交い。新今宮駅近くの作業用品店は既に商売を始めている。

カラスも多く活動しており、至る所でわるさしている。自分の3メートル程先の頭上からカラスの糞が落ちてきた。こんなものに当たったらたまったもんじゃない。その落ちてきたばかりの糞を気にもせず踏みつけるおじさんがいる。

小さなこと気にしてたらこの街には住めない。